厚生労働省は今年3月、「企業における従業員の健康保持増進等に配慮した職場づくりのための取組事業例集」を公表しました。
取組事例集では、スポーツなどの運動を推奨する取り組みや、腰痛防止策、メンタルヘルス対策、中高年労働者の事故防止対策、喫煙対策など、実際に企業で実施されている取り組みとその結果などが紹介されています。
ここでは、喫煙対策の取り組みをいくつか紹介しましょう。
ポイント制で楽しみながら禁煙
A社(建設業、社員35名)では、禁煙率向上のための取り組みをおこなっています。たとえば、社長が社員の家族(既婚者には配偶者宛て、独身者には両親宛て)に毎年恒例でクリスマスカードを送る際に、喫煙者の家族に「禁煙に協力をお願いする手紙」を同封して呼びかけています。
また、社員が楽しみながら取り組めるように健康インセンティブ策として「健活ポイント」を導入。禁煙を達成した場合や、前月より喫煙日数を減少させた場合などにポイントが付与される仕組みです。1ポイント=1円換算により、ポイントがたまると商品カタログの商品と交換できるなどの特典があります。
禁煙に成功したら祝金
B社(医療関連サービス業、社員約170名)では、事業所内は完全禁煙としており、喫煙者が禁煙に成功した場合には、一時金として「健康促進祝金(禁煙外来医療費補助金)」1万円を支給。非喫煙者に対しては、「健康促進手当」月3,000円を毎月支給しています。
当初、社内の喫煙者は43人(25%)でしたが、「健康促進祝金」の支給や社長らが先頭に立って周知徹底を行うなどにより、2年9か月で喫煙者ゼロを実現させました。
社員の健康を増進することは、企業にとっても大きなメリットがあります。事例集を参考に、自社にあった健康増進の取り組みを検討してみてはいかがでしょうか。
※事例集はここからダウンロードできます.