「両立支援等助成金」の1つとして、今年(2016年)4月より「介護支援取組助成金」が新設されました。これは、労働者の仕事と介護の両立に関する取組を行った事業主に支給されるものです。この機会に、介護支援の体制を整えてはいかがでしょうか?
大介護時代を迎える前に
団塊の世代が介護の必要な年代に差し掛かると、日本は「大介護時代」を迎えるといわれています。
育児に関する制度は整いつつあり、多くの企業で育児休業や育児短時間勤務制度の利用者も増えていますが、介護についてはまだまだ取組が遅れているようです。
取組に必要な様式はすべて厚生労働省が準備
今年(2016年)4月より新設された「介護支援取組助成金」では、右の要件を満たした企業に対して、60万円を支給する内容となっています。
社内アンケートの実施、社内研修の実施など、準備が大変なように思うかもしれませんが、すべて厚生労働省が指定した様式を使って実施することが要件となっており、アンケート用紙、研修用スライド、リーフレットが用意されているので、資料作成の手間もかかりません。
社内アンケートの調査対象は、労働者のうち雇用保険被保険者全員を対象としなければなりません。ただし、常時雇用する被保険者が100人以上の事業主については、少なくとも100人以上を対象とすることとされています。また、回収率は3割以上または回収数が100以上であることが必要です。
2カ月以内に支給申請
支給申請は、要件イの①~③すべての取組を完了した翌日から2カ月以内に、都道府県労働局に必要書類を提出しておこないます。
なお、育児介護休業法や男女雇用機会均等法などの重大な違反がある企業には支給されないことがあります。